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アレス動物医療センター

うさぎの飼い方 パイナップル、パパイヤ

2015/5/14更新


 うさぎの飼い主さん達の中には、パイナップルやパパイヤのジュースやタブレットなど蛋白分解酵素の入ったものが、毛球症の予防に有効と信じて疑わない人が多いようです。

 そのようなものが混ざった餌やサプリメントも売られているくらいです。

 では、何匹ものウサギに使ってみた結果、その感想はと言うと、効果があるのかないのかはっきりしません。

 実際にこの効果を研究した大学があるそうで、そのときも結局明らかな効果は証明されなかったそうです。

 ときどき、嫌がるウサギに無理やり飲ませて、パイナップルジュースがあごの下などについてしまい、あとで皮膚炎や脱毛を起こすこともあるようです。
 ですから私はあまり勧めていません。

 私の感覚だと、パイナップルやパパイヤで得られる効果よりも、その炭水化物の有害さの方が気になるくらいです。

 毛球症の根本的な治療も結局は繊維質が一番大事と言うことになるので、「使ってもいいけど、あくまで補助的なものだから、ほどほどにね。」と飼い主さんには伝えています。

 2,3日に1粒くらいなら、害はないと思いますので、うさぎのビスケット的なおやつをあげるよりはまだましだとは思うのですが、やっぱり完全草食動物のうさぎは牧草食べてなんぼの生き物です。
 それに果物とかおやつをあげたいというのは、雑食動物に人間の価値観の押し売りなのかもしれません。
 
 数年後にはやっぱり効果があった、なんて学会発表があって、この文面も変わっちゃうのかもしれませんが、少なくともこの10年の間は効果はよくわからない、というまま来てしまいました。
 
 ダメとは言いませんが、ほどほどに(でも、いらないと僕は思うのですが)。

 野生のうさぎはパイナップルなんて食べてないし。 


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