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フィラリア

2000/9/21
 今回はちょっとウサギの話からは離れるのですが、フィラリアというイヌ(とフェレットとネコ)の病気についてです。

 イヌを飼ったことのない人には縁遠く、ご存じない方も多いかと思いますが、フィラリアとは蚊に刺されると感染する寄生虫の病気で、心臓に虫がわいてしまう恐い病気です。
 地域差はありますが、予防していない状態でイヌを外飼いしていると結構な確率で感染します(私の勤めているあたりでは50%近い確率で感染してしまいます)。
 感染してしまうとこれは命の危機です。
 突然急性症状を起こし症状を出してから1週間以内にお亡くなりになってしまうこともあれば、慢性症状で心臓の形が変形し、呼吸困難や、腹水(お腹の中に大量の水がたまる症状)などの症状を出して、苦しみながら死んでいくこともあります。
 治療法は駆虫薬や手術などあるのですが、非常に危険で治療途中でお亡くなりになってしまうこともあります。イヌの状態によっては治療することもままならず、黙って眺めているしかないことも多いのです。
 不治の病とまでは言いませんが、1度感染すれば少なからず、体に害が及び、その多くのイヌ達がそれがもととなって寿命を大きく縮めるはめになるのです

 ただしこれはきちんと毎月予防薬を飲んでいれば、確実に予防できます。
 最近ではかなりこの病気もメジャーになり、予防をきちんとしている人が多いので、昔に比べると感染犬もかなり減りました。
 減ってきたとはいえ、それでも月に数匹の感染犬が発見されるのです(うちの病院だけでも)。

 フィラリアの感染が見つかり、飼い主さんに先のような話をすると、みなさん沈痛な面持ちで同じことをおっしゃいます。
 「そんな恐い病気とは知らなかった」と。
 しかし知らなかったでは済まないのです。
 何もイヌのすべての病気を知っておく必要はありません。
 ただフィラリアはイヌを飼ううえで最も気をつけて予防しなければならない病気であり、フィラリア予防はイヌを飼う人にかせられた義務であると考えています。
 知らないでは済まないですし、知らない人はイヌを飼ってはいけないのです。
 
 もしこのフィラリアが人に感染する病気だったらどうでしょう。
 蚊に刺されただけで感染してしまう病気が日本で流行していたらどうしますか?
 蚊は山や川だけでなく、街にも、建物の中にもいます。
 予防薬があるけどお金がかかるからと、それを飲まずに外へ出ることができますか?
 蚊取り線香を炊いてるからと、予防せずに安心して眠ることができますか?
 予防薬を飲ませずに、子供を学校に行かせることができますか?
 
 ほんのちょっとの知識をイヌを飼う前に飼育書なりで得ていれば、そしてそれに感染してしまったときのことを考えられる想像力が少しでもあれば、イヌを不幸にしなくてすむのです。
 フィラリアについて書いてない飼育書なんて、おそらく日本にはないでしょうから。

 フィラリアはウサギには感染しないと今のところ言われています(ネコも数年前までそう言われてましたが)。
 ですが同じようなことはウサギでも言えるのではないでしょうか。
 ウサギを飼う前に必ず飼育書の一冊くらいは読んでおく。
 それがウサギの飼い主になるための条件です。
 それがめんどくさいと思う方は、是非ウサギ購入を断念していただきたい。

 生後1ヶ月もたたないような、親離れ前のウサギを飼ってきて、すぐに死なせてしまうような飼い主にはならないでください。
「なんで生後2ヶ月以上経ったものを選ばなかったの?」と問いただしたときに、
「知らなかった」とか言う飼い主にはならないでください。

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