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アレス動物医療センター

長すぎる?うさんぽ時間

2024/3/7

 ほとんどの方がうさぎさんをケージで飼育し、1日2〜3回ケージ外での室内うさんぽをされていると思います。
 もちろん運動不足は問題になりますし、ストレス発散にもよいとは思うのですが、過剰なうさんぽにも弊害は多少あります。
 【何事も過ぎたるは及ばざるがごとし】ということなのだと思います。

 基本的にケージからお部屋に出してのうさんぽタイムは15分とか、長くて30分程度で良いのではないかと思っています。
 ケージの中での1時間程度の休憩を挟めば、1日何度出してもよいとは思うのですが、一回のフリータイムが長すぎるのはちょっと心配です。
 
 そもそもケージからお部屋なりに出して、30分運動し続けるうさぎさんはたぶんいないでしょう。
 せいぜい5〜10分遊んだら、あとはお気に入りの場所でゴロンというのが一般的だと思います。
 飼い主さんがうさぎさんから目を離さずに観察(異物誤飲などの事故が起きないよう見守ることが)できる時間というのはある程度限りがあるでしょう。
 僕はハニワさん(うちの輸血犬)をケージから出して目を離さず、トイレにもいかず、見守り続けていられるのはせいぜい1時間です。
 それ以上は飽きちゃって、テレビが見たくなってしまいます。
 まあ、うちの子はとにかくかわいいから、何時間でも見守り続けられるという方もいるでしょうから、それは人それぞれでしょうが、問題はフリータイム中の牧草摂食量です。

 80pケージの中にうさぎさんがいるときは、言ってしまえばケージの中では【寝ている】か【牧草食ってるか】の二択です。
 目の前、あるいは横なり後ろを向けばすぐそこに牧草の束があり、起きているときはもう牧草を食べるしかすることが基本ないです。
 僕が暇を持て余して、ソファーに寝転がっているときに、手の届く範囲にポテチがあれば際限なく食べてしまうように(それは体には良くないでしょうが)、うさぎさんにはとにかく24時間起きているときは常に牧草を加えていてほしいです。
 
 若く、食欲旺盛な時は特に問題はないと思います。
 ケージの外にいても小腹が空けばケージ内まで走りこんで、バリバリ食べてくれます。
 問題は歳をとり、あるいは何らかの病気になって食欲が落ちた時です。
 ケージから1時間部屋に出していて、高齢のうさぎさんが、いちいちケージの中まで走りこんで、牧草を食べてくれるでしょうか
 あるいは食欲不振のうさぎさんが、部屋の牧草置き場まで駆け寄ってまで食べてくれるでしょうか。

 部屋中いたるところに(それこそ振り向けばどこにでも)牧草が配置されていれば良いのでしょうが、畳2畳程度のサークルならともかく、6畳の部屋に1m間隔で牧草をばらまくわけにもいかないでしょうから(ばらまけるならそれはそれでよいですが)、どうしても牧草置き場まで移動するという工程が必要になります。

 元気で食欲旺盛な時はさほど気にする必要はないでしょうが、高齢になり、あるいは何らかの病気で食欲が落ちた時は、ケージから出す時間をある程度制限する必要があると思います。

 1回に出す時間を短めに5〜15分程度にして、かわいそうなら回数を増やす。
 ちょっとめんどくさい話ですが、そのような気遣いも必要になる日が来るかもしれません。

 猫は冬になると膀胱結石になる子がとても増えます。
 原因はいろいろあるのですが、その一つに「トイレを我慢してしまう」ということがあるそうです。
 寒いのが苦手な猫は、冬になるとこたつから出てトイレに行くのをおっくうに感じてしまう。
 トイレを我慢すると膀胱に古い尿がたまり、膀胱炎になりやすい。
 あるいは古い尿は膀胱内でアルカリ性になってしまう。
 アルカリ性になるとストラバイトという尿石が結晶化しやすくなり、膀胱内に石ができる。
 という理屈だそうです。

 ホンマかいなという気もしますが、高齢なうさぎさんや、食欲が落ちたうさぎさんには、何の努力もしなくともいつでも牧草が食べられる環境を用意してあげる必要があるのかもしれません。


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