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アレス動物医療センター

監修者ではなく著者で

2022/2/3

 ずいぶん前から、飼い主さん向けのうさぎの飼育書を出版したいと思っていました。
 先日その夢が、ちょっとだけ実現しました。

 電子書籍リーダーというものをご存じでしょか。
 要は紙の本ではなく、amazonのkindleや楽天koboでデータで本を購入して、それを読む機械です。
 見た目小さいタブレットみたいな機械なのですが、防水機能もついているのでお風呂でも読めます。
 漫画の単行本は紙と決めているので、僕の二階の書斎は壁4面すべて漫画でもう一杯です(もうすぐ49歳になります)。
 ですから、ビジネス書関係は最近はみなamazonでデーター購入して、電子書籍リーダーで湯船で読むのが日課です。
 実はかなりせっかちな方で、これを日課にするまでは、お風呂の時間は10分もかかっていませんでした。
 いわゆる烏の行水です。
 スマホでも同様に読めて、こちらはフルカラーで写真も見られるのですが、僕のスマホは防水ではないですし、眼鏡なしでスマホの文章を読むのはちょっち厳しいお年ごろ。
 昨年買ったものの中で、自分的にはかなりのヒット商品です(昔からあるのでしょうが)。
 
 で、毎日kindleの電子書籍を読みながら、ある日ふと思ったのです。
 これなら僕でも出版できるんでない!?と

 開業して20年近くになり、まあよほどのことでもなければそうそう病院もつぶれないくらいには成長しました。
 非常にありがたいことですが、ぼちぼちのお給料もちゃんといただけるようになったのですが、実はもう15年くらいは僕の給料は変わっていません。
 人が育ち、病院も育ち、患者さんも増え、仕事量も増え、休みは減り、不思議なことに給料は増えません。
 まあ、それが中小企業の経営者というもので、当然といえば当然なのですが(ほんとか?)、そうなると経済的なモチベーションではなく、何か他のやりがいを探さなければいけません。
 
 そこでいろいろ目標を立てているのですが、そのうちの一つが飼い主さん向けの【うさぎの飼育書】の出版でした。

 獣医師向けの「うさぎの診療書」は過去に一度出版させてもらいましたが(できたら、もう一冊書きたいですが)、それはあくまで獣医師向けの検査や治療や手術方法の本で、飼い主さん向けの物ではありません。
 何人かの飼い主さんや「あなたがうさぎにできること」ファンの方やYoutubeファンの方で、その本を買ってくださった方もいらっしゃいますが、1冊15,000円もする本を一般の方に飼ってもらうのはあまりに忍びありませんし、何より内容が専門的すぎます。
 で、ずっと飼い主さん向けの本をと思っていたのですが、これがなかなか難しい。
 しかも最近このあほみたいに高い本を買い占めて、定価より高く売っているよくわからない人まで出る始末。
 自分でいうのもなんですが、そんな価値はありません。

 どうにか飼育書を出版したい。
 すでに出版されている飼育書を参考にしようと、何冊か買って読んでみたのですが、僕が思っていたものとはだいぶ違いました。

 本の表紙には有名な獣医さんが「監修」となっているのですが、本を開くとかわいいうさぎの写真がいっぱいの、まるで写真集のような「飼育書」なのです。
 もちろん獣医さんはきちんと内容を監修されているでしょうが、おそらく執筆されているのは別の方なのではないかという本も多くみられます。
 かわいいうさぎの写真をたくさん掲載しようと思うと、おそらくペットショップさんやブリーダーさんの力が必要不可欠になります。
 ただそうなると、どうしてもペットショップさんやブリーダーさんに少なからず忖度した内容にならざるを得ないかもしれません。

 僕のような「うさぎにおやつはダメ」「ドライフルーツもダメ」「サプリなんかいらない」とか言ってる(いい年して反抗期のようなことを言っている)獣医師にはなかなか厳しい話です。
 ブルー〇ーツで思春期を過ごした人間には、「忖度というものは」難しいのです(大きな弊害)。
 
 もちろんうさぎの写真がたくさん載った本が悪いとは思いません。
 それをきっかけに「うさぎを飼おう!」と思う人もいるでしょうし、それをきっかけによりうさぎを好きになる人もいるでしょう。
 ただそういう本はいくらでもあるわけで、僕が作りたい本とは違うのです。
 
 かといって、かわいい写真もない、ただただ「うさぎを健康に長生きさせるためだけの本」みたいなストイックな本なんか自費出版してもどうせ売れ残りと借金の山になるだけでしょう。
 僕が出版したい「うさぎを本気で飼いたい人のためのガチの飼育書」なんて、どう考えても需要はないのです。

 でも電子書籍なら少なくとも在庫は抱えなくていい。
 買いたい人だけ買えばいい。
 別に売れなくたって全然かまわない。
 だって費用かかってないんだモーン。

 そう思って、ここ1年くらいコツコツ書き溜めたものを先日とうとう出版しました(って言っても、データーをamazonに送っただけですが)。
 その名も
「うさぎを本気で飼いたい人の うさぎの飼い方 育て方 〜正しく飼えばうさぎは14歳まで生きられる〜」
です。
 定価880円(税込み)
 ちなみにKindle Unlimited 会員の方は無料で読めます。
 今後僕の本を買おうと思った方は「できる!!ウサギの診療(15,400円)」ではなく、こちらをご購入ください。
 そして買っていただけると、病院にちょっとお金が入ります^^(僕には入りませんが)。 

 誤解をされると困るのですが、14歳まで生きなかったからといって、別に飼い主さんの飼い方が間違っているというわけではありません。
「うさぎの寿命って6〜7歳くらいなんじゃないの?」とか思っている人に対する単なるキャッチコピーです。
 どんなに一生懸命、愛を持って育てても、どんなにうさぎさんが頑張ってくれても、どんなに主治医の先生が努力しても、それでも思い通りにならないのが命です。
 ただ少しでも長く、健康に過ごしてもらえる可能性を上げるためのヒントが書かれていると思うのです。


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