
うさぎの消化管うっ滞は、一度の診察で治ることもありますが、年を取るとなかなかそうはいかなくなります。
なので診療後に「明日食欲が戻ってなければ、再診に連れてきてください」と伝えていました。
ですが、最近この表現をマイナーチェンジしています。
「明日食欲が100%でなければ、必ず病院に来てください」
この違い、分かります?
「明日食欲が戻ってなければ…」という表現をすると、よくあるパターンとしては、その診察の3〜4日後に「また食欲が落ちてきた」とか、「うっ滞が再発した」といって戻ってこられることが多かったです。
「先日来られた次の日は食欲が戻ってたんですか?」と聞くと、「全部ペレットは食べるようになっていたんですが、食べるのには時間がまだかかってました」と返答されることが多いのです。
それは【食欲が戻った】ではなく、【食欲が改善した】だけなので、まだ完治していないということですよ。とお伝えすると
「ペレットを食べ切ったから、もうよいのかと思って…」と答えられるのです。
基本獣医師はネガティブに物事を考え「上向きだけど、まだぱっとは食べられない」と思うのですが、飼い主さんは基本ポジティブにとらえることが多く「全部食べられるようになった(食べるのは遅いけど)=食欲は戻った(明日にはもっと食欲が戻るはずだ)」ととらえる方が多いようです。
あまりネガティブにばかり考えていると、治療はつらくなってしまいますから、楽観的な部分も必要なのですが、治療の計画を考える上では基本ネガティブに考える方が無難です。
「いまは90点の食欲だけど、明日には100点になっているに違いない」という希望的な考え方ではなく、「病院で治療を受けたのに、まだ90点だ」と考えたほうが、たぶん安全なのです。
頭でそうはわかっていても、ついつい気がつくとポジティブにとらえてしまうのが人情というもので、言葉の言い回しを変えることにしたのです。
「明日食欲が100%でなければ、病院に来てください。
ただ完食するだけじゃなくて、いつものスピードで食べきれなければ治療が必要です。
いつも5分でペレットを完食できるのに、10分かかったら、まだ完全ではないと思ってください。」
と、誤解の余地がないように説明するようになりました。
【食欲がある】というのはペレットを食べ切るということではありません。
いつも5分でペレットを完食できる子が、いつも通り5分でペレットを食べ切って、牧草もいつも通り食べるというのが「食欲がある」状態です。
特に消化管うっ滞に関しては100点満点になる前に、妥協して治療をやめてしまうと慢性化して、グダグダの戦いになってしまうことが多々あります。
100点満点、100%の食欲がゴールであると、ぜひ覚えておいてください。
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